眼鏡とコンタクトレンズについて

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眼鏡処方について

  近視や遠視、乱視といった目の屈折異常により、裸眼視力が低下し不自由を感じておられる場合は、眼鏡による矯正が有用です。既製品の使用や安易な処方は、成人の方では目の疲れや肩こりなどの原因となり、お子様では調節緊張を助長して近視が進行するおそれがあります。100円均一ショップなどで売っている既成品の眼鏡は、左右同じ度が入っており、サイズも購入者の顔の形に合わせて作られていません。中には虫眼鏡代わりに使用している方もおられますが、あくまで眼鏡はピントを合わせる道具で、小さい字を拡大するためのものではありませんので、そもそも使用方法が間違っていると言えます。

  眼鏡処方で重要なことは、眼鏡を装用した際に、目が極力緊張していない状態にすることです。したがって、自動屈折測定器のデータを元に出した屈折値(近視、遠視、乱視の度数)をそのまま眼鏡に入れることは、たとえ見え方がよくても避けなければなりません。これは、自動屈折測定器を覗いた時には目が緊張した状態にあるからで(これを器械近視と言います)、少なくともきちんと度数を遠視側(プラス側、凸レンズ側)に調整し、最高視力よりも遠視側の度数を選択しなければなりません。また、乱視についても、0.75~1D(ジオプター)程度の乱視は不要の場合も多く、乱視の軸を90度に近づけたり、左右のバランスをとったりすることも大切です。そして、合わせた仮のレンズを10分間かけて頂き(装用テストと言います)、目の疲れや眩暈、頭痛などを生じないことを確認してから処方箋を発行することも必要です。このように丁寧に眼鏡処方を行った後は、お好きな眼鏡屋さんにこの処方箋を持って行き、眼鏡のフレームやレンズの種類などを選んで眼鏡を作成することになります。

  当科では、お一人当たり30分~1時間かけて処方を行っていますので、眼鏡処方を希望される方はあらかじめご連絡の上、予約にて受診して頂けるとスムーズに出来ます(もちろんお急ぎの方は予約以外でも眼鏡処方は可能です)。どうそ宜しくお願い致します。

当科での眼鏡処方の一例

症例:
74歳 男性 主訴:眼鏡が合わない
矯正視力:
  右 1.0 (1.2×S+1.75D=C-1.0D Ax90°)
  左 0.1 (1.2×S+2.00D=C-1.0D Ax90°)

使用中の遠近両用眼鏡:

遠用部分 近用部分(加入度数 2.5D)
右 1.2×S+1.75D=C-1.0D Ax90° 右 0.2×S+4.25D=C-1.0D Ax90°
左 1.2×S+2.00D=C-1.0D Ax90° 左 0.1×S+4.50D=C-1.0D Ax90°

当科で新しく作成した眼鏡:

遠用部分 近用部分(加入度数 2.0D)
右 0.9×S+2.50D=C-1.0D Ax90° 右 0.6×S+4.50D=C-1.0D Ax90°
左 0.9×S+2.75D=C-0.5D Ax90° 左 0.6×S+4.75D=C-0.5D Ax90°

処方のポイント:

使用中の眼鏡は、視力検査時の最高視力と同じ度数が入れられており、近用部分も加入度数が2.5Dと遠近の差が大きくなっていました。遠用部分は片眼で1.2見えており、一見良さそうに思えますが、常用眼鏡では多少見えにくくなっても、遠視側(プラス側、凸レンズ側)に近づける方が、目に対する負担が軽くなります。あくまで両眼で生活するため、今回は片目で0.9に抑えて、両眼で1.0見える程度のレンズに変更しました。さらに近用部分も加入度数を2.0Dに小さくすることで、遠近の差を小さく出来ました(遠近両用眼鏡で遠用と近用の度数差が大きければ、遠近の境目が気になったり、足元など下方の見え方が悪くなったりします)。理想的には、乱視を軽く出来れば良かったと思っていますが、装用テストで見えにくいとのことでしたのでこの度数に決めました。

コンタクトレンズ処方について

コンタクトレンズは“人体に重大な影響を与える危険性が最も高い医療機器”であるとして高度管理医療機器に指定されています。したがって大切な目を守るために、眼科専門医の診察を受けた上で処方を受けるようにしましょう。

かぎやメディカルサービスは斉藤外科眼科ビル内のコンタクトレンズ販売会社です。